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第1話 オモチャの女

薄暗い部屋の中、私は汗だくになりながら必死に腰を前後に振っていた。お腹の下からは粘膜をこすり合わせる淫らな音が聞こえる。そこから卑猥な匂いも漂ってきて、頭がくらくらした。もうどれくらいこうしているだろう。自分の乳房にふと目を向けると、自分の首筋から流れてきた一筋の汗が、膨らみの先端から水滴となって落ちようとしていた。

「おい、もっと締めねぇといつまでもイケないぜ。きゅっと力入れろよ」

私の下で仰向けになったゲス野郎がふざけたことを言っている。両手を頭の後ろで組んだ姿勢で、薄ら笑いを浮かべている。

「うっ……はぁ……はぁっ……こっ……こうですか? ……ぅんっ……」

バカみたい。けれど、今の私はどんな屈辱的な要求でも従うしかない。私は言われた通りに下腹部に力を入れてみる。うんちをひり出す時みたいな感じだろうか。あそこの締め方なんて良く分からない。

「おっ、いいね。少しきつくなった。もっと練習すれば具合の良いマンコになるぜ。くははっ」

最低……この男は女をなんだと思っているのか。あんたの汚いポコチン喜ばすために誰が練習なんかするものですか。

「……はぁっ……はっ……はい……」

悔しい。言葉だけとはいえ、ゲス野郎の戯言を肯定しなくてはならないなんて。

「それにしても美優(みゆ)よぅ、お前の汗エロいな。ちょっとおっぱいこっち持って来いよ。俺の口のとこだよ」

ゲス野郎は私を見上げながら、舌を出して器用に上下に動かしている。気味が悪い動き。昔見たB級パニック映画の触手の怪物を思い出す。ぬらぬらと唾液で口元を濡らして、いやらしい顔がさらに好色さを増している。つぅぅっと背筋に寒気が走った。今からこいつが私の胸にすることを想像すると、全速力で走って逃げたくなる衝動に駆られる。でも、出来ない……。私は小さく唾を飲み込むと、身体を前に倒して、いまだ気持ち悪い動きを繰り返す触手に向かって左胸の先端を差し出した。

「ぅうんっ」

乳首をひと舐めされた。その瞬間、ぴりっとそこから電気を流されたような痺れを感じる。意識が乳首に集中し過ぎて敏感になってしまっていたみたい。その後は乳首の周りをなぞるように、舌の先端で胸に触れてくる。あぁ、乳首が充血してきた。私の意思とは無関係に、刺激に反応して乳首が硬く大きくなっていくのが分かる。ゲス野郎はそれを確認するように舌でころころと弄ぶと、にやりと笑みを浮かべ、赤ん坊がするように唇をすぼめて吸い付いてきた。痛くは無い。でも優しくも無い。もし私の胸からミルクが出るなら、きっとちゅうちゅうと勢いよく吸い出されていただろう。

「あっ…あっ…ぁん……んふぅ……んふぅ……」

私は思わず声を上げてしまう。嫌だ。まるで感じているみたいじゃない。こんなことで感じているとこいつに思われるなんて、屈辱でしかない。こいつは私を脅してセックスを強要しているくせに、自分とのセックスで私が感じるのを当然だと思っている。女を喜ばせていると悦に入っている。なんて身勝手な男なの。

「しょっぱいな。お前のミルク」

「ミルクなんて出ません……」

「はっ。んなこたぁ分かってるよ。お前のエロ汗の味だよ。俺な、ハメてる最中に女が流す汗を舐めるのが好きでな。興奮するわ。美優の汗の味は合格点だな。健康な女の味だ。不健康な奴だとこうはいかない。ひひっ、俺ソムリエみたいじゃね? エロ汗ソムリエ」

またバカなことを言い出した。ソムリエに謝れ。そんなに汗が好きなら牛乳ビン一本分くらい溜めて、一気飲みさせてやろうかしら。うぇっ、想像しただけで吐き気がしてきた。そんなことを考えていると急にお尻を叩かれた。暗い室内に鋭い破裂音が響く。

「おらっ、腰の動きが止まってるぞ。おっぱい吸われて感じちまったか? 自分ばっかり楽しんでんじゃねぇよ」

ふざけないでっ。あんたとのセックスを楽しんだことなんて一度も無いわよっ。あんたのバカ話に呆れ返っていただけよっ。……そんな風に怒鳴りつけてやりたい。私がそれでも動かないことに焦れたのか、ゲス野郎は私のお尻を両手で鷲掴みにし、結合部を引き開くように左右に引っ張っては戻すことを繰り返している。それに合わせてゆっくり小刻みに腰を動かして気持ち良さそうに目を細めた。

「あぁ気持ちいいなぁ。おマンコ最高。ほら、俺の動きに合わせてみろ。ゆっくりと腰を左右に振れ」

私は言われた通りに左右に腰を振る。さっきまで散々振っていたから、内股の筋肉がひきつるように疲れているけど、この動きなら楽だ。ゲス野郎の手と腰の動きに合わせ、ふりふりとお尻を揺らす。

「はぅん……はぁ……あぁ……はぁ……」

何これ。結構気持ちいい。私の意思とは無関係に、セックスを覚えた私の身体はより強い快感を求める。ゆっくりと私の感じる部分を探すようにゲス野郎は腰を動かしてくる。どんなにこの男に抱かれることを嫌悪しても、膣内のより感じる部分に肉棒の先端を押し当てたくなる衝動を抑えられない。

「んふぅ……あっ……そこっ……はっ……あぁ……いゃ……あぅっ……」

嫌だ。でも気持ちいい。当たる。気持ちいいところに当たる。もっと強く押し当てたい。嫌だ。なんでこんなこと。気持ちいい。悲しい。感じたくない。でも、もっと感じたい。悔しい。色々な気持ちが混じり合い、涙がこぼれそうになる。

「いいね。乗ってきたじゃん。感じてんならもっと声出せよな」

ゲス野郎はそう言うと、急に腰の動きを激しくしてきた。今までは探るように緩やかな動きだったのが、今は膣の奥の子宮まで叩きつけるような力強い動きだ。腰を私の股に叩きつける激しい連続音が聞こえる。

「ひっ、あっ、あぁっ、あん、やっ、つよっ、いっ、やぁあああ、あんっ」

だめっ、声を抑えられない。気持ちいい。すごく感じる。当たる。強く当たる。やだやだやだ。感じたくないっ。気持ちいい。いやだよぅ。そこっ、ああああぁ。

「お前の喘ぎ声堪んねぇな。聴いているだけでアレが硬くなっちまう。さすがアナウンサー志望だよなぁ。よく響く。ひひっ」

力が入らない。私はゲス野郎の首元に顔を埋め、すがりつくような恰好で激しく肉棒を突き入れられている。もう完全になすがままだ。突き上げられる度に高まりを感じ、力が抜けていくような気がする。早く終わって欲しい。早くイッてよ、イッてっ。私もイク。もうイク。イキたい。早くイカせてっ。

「はっ、はっ、おらっ、気持ちいいかっっ。おらっ」

気持ちいいわよっ。こんなにされたら当たり前でしょっ。いいから早くイッてっ。イカせてよっっ。

「気持ちっ、いいっ、ですっ。もっとっ、つよっ……くっ」

「ははっ、素直になったな。今イカせてやるぜっ」

腰の動きがさらに早くなった。猛烈な勢いで熱い肉棒が私の体内で暴れている。頭が熱い。ぼうっとする。もうイクことしか考えられない。

「ぁぁああああっっ。はげっ、しっ、うっ、だめっ、あんっ、はんっ、はっ、ぅん、イッ、イクっ、イキますっ。イッちゃいますっ。だめだめだめだめっ……はっ、はあぁっ、ぁぁああああああああああああああああああああああああああ……」

頭が真っ白になる。子宮を中心に全身が痙攣する。ああぁ、イッてる。私イッてる。絶頂感に満たされている。なんて気持ちいいのかしら。今は、私の下で射精の快感に身を震わせているくだらない男のことなんてどうでもいい。ああ、私は今満たされているわ。あぁ……視界が白くなってきた……何も……かん…が…え…………。

 目元に差し込んできた光を感じ、私は目を覚ました。身体が重い。股に違和感があるし、全身汗をかいていて気持ち悪い。身体の下のシーツは乱れ、ティッシュや陰毛、粘液の乾いたようなものがあちらこちらに飛び散っていた。ああ、そうか。昨日はあいつとセックスしたんだった。まだ絶頂の余韻が残っているのか、下腹部がじんわりと熱を持っているような気がする。あんな男に与えられた快感だと思うと、途端に気分が悪くなってきた。早く汗や唾液を洗い流したい。

私はゆっくりとベッドから身を起こす。あいつは居ないみたいだ。近くに置いてある小さな丸テーブルに目をやると、一片の紙切れと使用済みのコンドームが三つ置いてあった。コンドームはご丁寧に口を結んである。紙切れには、『明後日はサークルだ。忘れるなよ。終わったらそのままハメ倒すから。あとお土産だ。お前の大好きなザーメンだ』と書かれていた。 

外から差しこむ陽の光が急に弱くなった気がする。世界が薄暗くなる錯覚に襲われる。また犯される。どんな風に犯されるかは分からない。でも、いつものように逆らえない私を弄び、好き勝手にオモチャにされることには変わりは無い。ゲス野郎がこう言っている以上は、それは決まったことなのだ。断ればいつもと同じセリフで脅されるだけ……反抗するだけ無駄なのだ。私はあいつの脅しに逆らえない。

「……死ねばいいのに……早く死んでよ。あんたなんかゴミクズのくせにっ。レイプ魔のくせにっ」

私は紙切れを握り潰し、力任せにでたらめに投げ捨てた。

「……もう、本当に嫌だ。いやだよぅ。誰か……助けてよぅ……」

その時、何かが床に落ちる音がした。紙切れを投げた方向だ。そっと視線を向けると、小さな写真立てが床に落ちていた。あれは……。私は写真立てに近寄り、優しく拾い上げ、写真を眺めた。そこには私と、その隣で優しげに微笑む青年が映っている。二人は仲良さそうに腕を組み、幸せそうな雰囲気を出していた。目頭が熱くなる。涙がこぼれ、写真立てのガラス面にぽたりと落ちた。

「彰(あきら)くん……ごめん……ごめんね……許して……」

私は写真立てを抱きしめ、その場に座り込んでしまう。

「今日……講義だ……」

出かける準備をしないといけないのは分かっていたけれど、私はその場からしばらく動けなかった。目の前のどろりとした精液の詰まったコンドームを、働かない頭のまま、だたぼぅっと見つめていた。

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